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強迫観念はどこからやって来るのか?

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今日は読者の方からのご相談です。
皆さんとご一緒に考えていきたいと思います。

(ここからご相談)

ありのパパさん、こんばんは。
ブログを夢中になって読ませていただいております。

強迫観念を超えた神の意志を、こう捉えればいいのかと、何度も何度も納得しました。
疑問に思ったのは、この強迫観念はどこから生まれるのでしょうか?

>一つは父によって殴られたことによって刷り込まれた恐れです。
成人してからも人は理由なく突然危害を加えるのではないかという誤った信念を持ちました。

私は、他の人が父親のようには殴らないし怖くないと思いました。
かえって、他人に無用心に心を許し、近づき過ぎてしまうことがあります。

これも過去の経験から刷り込まれたものだと思いますが、ありのパパさんの様にうまく説明できません。
父親によって刷り込まれた恐れが原因だとは思うのですが、反対の誤った信念を持っていると思います。
他人の方が安全という誤った信念でしょうか?

(ご相談はここまで)

こんにちは、ケイさん。
ご相談をくださり、ありがとうございます

①だれもが養育者によって恐れを刷り込まれているわけではない。

これはありのパパの個人的な体験に過ぎません。
しかし、このような方が多くおられるのではないかと考え、ブログに書いています。

ここで注意しなければならないのは、たとえ養育者によって恐れを刷り込まれていなくても、人は生まれつき恐れを持っているということです。
私たちが生まれつき持っている恐れは良いものでも悪いものでもありません。
ただ、その用い方によって私たち自身に良い影響を与えたり悪い影響を与えたりするということです。

たとえば目を閉じて歩くと、身体がすくみます。
これは恐れが健全に作用している証拠です。
もし恐れが作用せず、目を開いているのと同じように道に飛び出して行ったら、どうなるでしょうか?
(その他にも将来への恐れから、人は貯金に励むなどの効用があります)

では恐れの悪い用い方とはどんなものでしょうか?
それは恐れと不正直がつながった場合です。
たとえば私は恐れが動機となって不正直な対応を人々にとりました。
どうせ説明しても分かってくれないし、心を尽くして説明して分かってくれなかった時の方が怖いと思い、不正直な態度をとりました。
これが恐れの悪い用い方です。

②強迫観念はどこからやって来るか?

ケイさんが言われる「強迫観念」と12ステップが言うところの「強迫観念」の内容が同一であるとしてお話を進めます。
12ステップが言うところの強迫観念とはアル中における最初の一杯を飲ませる「狂気」です。
初めの一杯を飲んだら飲むのを止めることが出来ないと分かっていながら、見え透いた言い訳を自分にしてしまう狂気です。

癇癪持ちにとっては怒ってはならないと分かっているにもかかわらず「このケースでは怒って当然だろう」と思ってしまう狂気です。
この狂気・強迫観念は無くならず、治ることもありません。
ただ回復があるのみです。

ケイさんのご質問は「この強迫観念はどこからやって来るのか?」ですね。
この強迫観念は、アル中の場合は酒を飲み続けることによって脳内の報酬系といわれる部位に回路が出来てしまい、一旦その回路が出来てしまうと、その回路が無くなることはないと言われています。
その回路を通して「飲め!飲むんだ!」と指令が飛びます。
癇癪持ちの場合も同様です。
「怒るんだ!怒りを爆発させよ!」と抗しがたい力が働きます。

③強迫観念は12ステップを踏むことによってコントロール可能になります。

ただし、無くなるのではありません。
買い物依存症の方が言われていたのですが、脳内でスイッチが入りそうになるのが分かると、なるべく速やかにその場を立ち去るとのことでした。

私の場合も、怒りのスイッチが入りそうになると、それが明白に分かるので自分に対して「お前に普通の人と同様な怒り方は出来ない。だから怒ったらいけないよ」と言い聞かせ、十秒以内に思いを翻(ひるがえ)すようにしています。

このように強迫観念をスイッチと言い換えても良いかもしれません。
回復するというのは、そのスイッチが入らないようにすることです。

④ACにとっての強迫観念とは?

ACの14の特徴(国内のAC系グループは13)に書かれてあることが、ACにとっての強迫観念に当たります。

a.孤立しており、人や権威を恐れる。
b.承認欲求が強い。
c.他人が発する怒りや批判に怯(おび)える。
d.アル中と結婚したり、仕事中毒と結婚したり、病んだ「見捨てられ欲求」を満たそうとする。
e.人の言いなりにならずに、自分の意見を述べると罪悪感を持つ。
f.私達はパラアルコホーリク(疑似アルコホーリク)である。

これらの特徴は他の人から見たら「あなた、それはおかしいでしょ?」と言われるようなものであるにもかかわらず、本人は中々そう思えず、同じ失敗を何度でもやらかしてしまいます。

◎強迫観念は私たちが誤った行動を繰り返し行うと脳の報酬系といわれる部位に、その誤った行動を行えとの命令(スイッチ)が書き込まれてしまうことによります。
回復とはそのスイッチが無くなることではなく、スイッチが入らないようになることです。
平安と祝福を祈っています。

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